公務員の副業は現在、日本では原則として法律で禁止されています。
しかし、副業で副収入を得ている公務員もいます。
この副業で副収入を得ている公務員は全員が禁止という決定事項に逆らって副業を行っているのでしょうか。
答えはNOです。
実は副業を行っても問題のない方法もあるのです。
例えば、以下の国家公務員法第104条です。
国家公務員法第104条 他の事業又は事務の関与制限
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。
上記には許可を得れば副業をしてもよいことが書かれています。
今回ご紹介するFXも公務員が行っても問題がない副業の一つです。
ちなみにこのFXは上長の許可なく行っても問題がありません。
なお、FXは副業というよりは資産運用に分類されるのですが…
FXとは何なのか
急にFXといわれても、ちんぷんかんぷんな方もいるかもしれません。
まずはFXとはについて説明します。
FXとは正式名称を外国為替証拠金取引といいます。
この英語を「Foreign Exchange」といい、頭文字をとった略でFXというわけです。
FXはその名の通り、証拠金を用いた為替取引です。
日々、各国の通貨のレートは変わっていきますが、これを安いときに勝って高いときに取り引きしたら売買差益が出ます。
例えばアメリカドル1ドルが50円のときに1ドル買ったとして、1ドル100円で売り抜けたとします。
そうすると50円の売買差益を出したことになります。
少額の取り引きであれば売買差益で得られる利益は小さくなりますが、これがもし10,000ドル購入していたとすれば、50円×10,000ドルで50万円と大きな利益となります。
しかし、10,000ドルを買うとなると、1ドルが50円であったとしても50万円の費用が必要です。
そこで証拠金を使った取り引きの出番です。
証拠金を担保に入れ、お金を借りてトレードを行うのです。
為替の変動で損失が出た場合は、この証拠金が目減りします。
証拠金以上のお金は借りることはできないので、証拠金が0になったら(実際は余裕を見て、0になる手前ですが)持っている通貨は全て売却されます。
なお、証拠金に対して借り入れる金額の倍率をレバレッジといいます。
レバレッジは日本語で「てこ」という意味です。
これがFXの簡単な概要となります。
本当にFXは公務員が副業として行っても問題がないのか
前に「FXは副業というよりは資産運用に分類されるのですが」と書きましたが、これが答えです。
公務員の副業を禁じる法律である国家公務員法と地方公務員法を見ると、禁止されているのは営利目的で報酬をもらって事業に取り組むことです。
FXは労働を提供して対価として報酬を得るものではなく、自分の資産を用いて資産を形成する資産運用です。
禁止されているのは副業(FXも実は広義の意味では副業に含まれますが)であって、資産運用は禁止されていません。
つまり、公務員がFXで副収入を得ても問題はないのです。
ただし、実はFXを行ったことで公務員が懲戒処分を受けた例があります。
それは業務中にFXでトレードを行っていたことが原因です。
公務員には、職務専念、秘密保持、信用確保といったことから副業が禁止されていますが、これらの内の職務専念、信用確保に違反したということです。
しかし、これは副業禁止以前の問題で職務放棄、職務怠慢の問題ですね。
ちなみにFXでレバレッジを上げて全財産をかけての取り引きを行っていると職務中も為替レートが気になって仕方がなくなるので、FXは余剰資金を用いた余裕をもった取り引きを心がけましょう。