公務員の副業としてのライター執筆活動…認められるなら同人活動は?

不況に突入した時代から安定した職業として人気な公務員…
しかしながら昨今の副業ブームを受けて、副業を全面的に法律で禁止されている公務員は損なのでは、という声もあります。

実際、毎年30~50人の公務員がこっそり副業で副収入を得ていることがバレて懲戒処分を受けています。
ちなみにバレている原因は地方税が増加したことや通報・密告によることが主となっています。

いえ、全面的に法律で禁止はされいるけれど完全に副業で副収入を得ることが禁止されているわけではないので安心してください。
まず、以下の国家公務員法第104条において、許可を得ることができれば副業は認められることが明記されています。

国家公務員法第104条 他の事業又は事務の関与制限
職員が報酬を得て、営利企業以外の事業の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、その他いかなる事業に従事し、若しくは事務を行うにも、内閣総理大臣及びその職員の所轄庁の長の許可を要する。

また、以下の副業であるなら基本的には副収入を得ても良いことになっています。

・地域貢献活動
・不動産投資
・株式投資・FX
・講演・講師
・執筆活動
・小規模農業
・家事手伝い

今回はこの中でも執筆活動に焦点を当てて解説していきます。

ところで、上記に挙げられている副業であれば何をしてもいいというわけではないので節度を守った副業を心がけてくださいね。
過去にはルールを守らない不動産投資やFXを行って懲戒処分を受けた例もあります。

どういう場合に執筆活動が許されるのか

では公務員の執筆活動は無条件に副業として許されるのか?

実は残念ながらそのようではありません。
普通に執筆して本などを出版して印税を得ることは営利目的の活動とみなされ、営利目的の活動が禁じられている公務員としてはアウトとなり、こっそりやっているのであれば懲戒処分の対象となる可能性があります。

公務員が執筆活動を行うには許可が必要か、それとも無報酬である必要があります。
無報酬である場合は副収入を得るとはいえず副業ではないので、ここでの選択肢は許可を得るという手段のみを考えることとします。

実際に執筆活動を行うことで報酬を得ている公務員の島田正樹さんの話では、以下の流れがあったそうです。

  1. 執筆の打診を出版社などから受ける。
  2. 上司や人事当局に事前相談をする。
  3. 応諾し、正式に依頼を受ける。
  4. 人事当局に申請し、許可を受ける。
  5. 原稿を書いて報酬をもたう。

なお、2の事前相談の際に、通常の業務時間内に業務として執筆して原稿料はいただかない、または組織が歳入(雑入)として受け取るという、様々なケースがあるようです。

ちなみに、電子書籍であればこっそり執筆して副収入を得ることは通常よりはバレにくいかもしれませんが、それも立派な副業違反であるので気を付けてください。
思わぬベストセラー化などで日の目を見てバレることもあります。

同人活動の場合は?

さて、執筆活動は条件付きであれば認められるということが解りました。
それでは同人活動はどうでしょうか。

同人活動とは、同じ趣味、目的、志を持つ人が集い、一緒に活動することをいいますが、現代では主に、コミケ(コミックマーケット)などで同人グループや個人が、主に同人誌と呼ばれる二次制作の雑誌の売り買いをしたり、交流を深めたりすることをいいます。

日本人であれば日本国憲法で基本的人権が認められていて、その中で自由権が保障されています。
公務員であることを理由にそれが規制されるのは違憲ではないか?

大丈夫です。
営利目的でなければ、また公務員の3原則である信用確保・秘密保持・職務専念の自覚と責任が取れるのであれば参加しても問題ありません。

また、営利を得る行為であっても前項のように事前に許可を得れば問題ありません。
「個人の趣味」または「創作活動」として申請すれば許可が下りやすいかもしれません。