日本では、公務員の副業が禁止されていることは多くの人が知っている事実です。
これは以下のことが理由となっています。
- 健康を崩して本業である全体への奉仕に支障が出ることを防ぐため(職務専念)
- 本業で得た秘密情報が流出することを防ぐため(秘密保持)
- イメージのよくない副業を行うことで世間から信用を失うことを防ぐため(信用確保)
日本ではこのように公務員の副業は禁止されているのですが、では海外ではどうでしょうか。
気になったので調べてみました。
海外の公務員の副業事情
結論からいえば、アメリカ、イギリスやドイツなどのヨーロッパ諸国では就業における拘束時間外であれば、原則として副業は認められているようです。
日本と違って市民の、そして労働者の自由が最大限に尊重されているそうです。
これはヨーロッパ諸国であれば、市民革命などによって王政を倒してきた今の基盤を築いた市民の力の強さの影響が出ているのかもしれませんね。
また、アメリカであれば、元から王などはなく、ヨーロッパからの夢を求めて移り住んだ人々が作り上げた国であるので、市民それぞれが独立意識のようなものが強く自由なのかもしれません。
そう考えると日本は古来よりお上の力が絶対であり、長年ずっと国民を統治してきたので、海外と違って国が個人を締め付ける力が強く、その影響が今も出ている可能性もあります。
さて、中でもイギリスでの公務員の副業事情を紹介します。
イギリスの公務員の副業は本当に自由であるそうです。
どんな業種で副業をしようとも許可の必要もなく行うことができます。
それは個人のプライバシーの問題であるのでとても慎重に取り扱われているようです。
例えば、イギリスの消防士などは職務時間が短いため、多くの職員が他に副業を持っているようです。
また、警察官においても約1割が副業をしているようです。
変わった職業でいえば、国会議員ですら副業が容認されているとか…
ただし、この場合は副業で得た収入の報告が義務付けられているようですが。
このように副業が自由であるため、チャリティーや社会活動(いわゆるフィランソロピー)も活発であるそうです。
日本での今後の公務員の副業事情
実は近年、日本でも公務員の副業を解禁にする動きがあります。
2017年には兵庫県神戸市と奈良県生駒市の自治体が公務員の副業を一部解禁しました。
また、2018年には宮崎県新富町の自治体が同様に公務員の副業を一部解禁しています。
さらには同年、政府は未来投資戦略2018にて国家公務員の兼業…つまり副業を正式に認める調整に入っています。
とはいえ、「一部」とあるように、副業を行うことができるのはどのケースもNPO法人や非政府組織(NGO)などの「公益的活動」を目的としたものに限り、また行うためには許可がいります。
しかしながら原則として禁止されていた状況からは少なくとも前進しているし、また、その動きは確実に広がっているので、もしかするとその広がりは今後も広がり、それは地域的な広がりに留まらず、公務員の副業が許可される業種にも広がりを見せるかもしれません。
また、日本の多くのものは海外のものが遅れて導入されているケースが多くなっています。
日本も海外のように公務員が自由に副業を行うことができる日が来ないとは言い切れません。